2011年11月20日日曜日

J君と再会

去年の春まで約1年間、英語のブラッシュアップに個人レッスンをお願いしていたJ君。
アメリカへ帰ってしまったのだけど、休暇を利用して日本に里帰り旅行。
今日、ランチしに、うちへ遊びに来てくれました。
おみやげにジャムと紅茶とビールをいただきました。ありがと~。















まだ二十代、親子ほども年が違うんですが(汗)、とてもバランスの取れた好青年で、
レッスンで来てもらっていた時も、よく一緒に晩ご飯を食べながら
日本のこと、アメリカのこと、政治のこと、医療のこと、
あれこれ話がはずみました。

今日も、アメリカで続いている若者のデモンストレーションの話、
震災の話など、あれこれ。

彼と話をしていると、日米の違いのことをいろいろ考えます。
アメリカはやっぱり良くも悪くも個人主義の国。
個々人がそれぞれ、自分の主張や欲求を、日本人に比べたらダンチに明確に意識してると思います。
いろんな考えの人間が寄り集まって、ひとつの社会で生きていくにはルール、システムが必要。
そういうルール、システムがないと困るから、みんなが納得できるルールを作ろうとするし、
作ったら従おうとする。
従っている限り、あとは何をしようと個人の自由。

でも日本は、個人の主張や欲求より、集団が優先されがちと思います。
礼儀正しく、人に迷惑をかけないように、輪を大切にする。

それはすばらしい美徳だと思うのですが、
普段から個人より集団を優先しているような人たちにとって、
ルールはともすれば、ただの縛りに陥るキケンがあるような気がします。

ルールが必要、それがないと困るという共通認識があってこそ、
ルールが生きるように思うから。

追記)いや、その前に、日本人の場合
「自分はどうしたいのか」というビジョンの確認・意識化が必要なのかも。
それがないと、ただのお仕着せの規則になってしまう。。。



でも、今日、J君とひさびさに再会して話していて思いました。
アメリカだろうと日本だろうと、ひとつ共通していえるのは、
優先すべきは「人」であって、「ルール」や「システム」ではない、
そこを見誤るとおかしなことになるのかもしれません。

ブータンじゃないけれど、人が幸せに生きられる社会を大切にしなきゃと
あらためて思いました。

2011年11月3日木曜日

第27回協議会を傍聴して

今日ひらかれた第27回がん対策推進協議会を傍聴してきました。
協議会では今、次の5年間のがん対策推進基本計画を策定するべく、各テーマについて順次ヒアリングと討議がおこなわれています。
今日のヒアリングのテーマは、以下のとおりです。

  • サバイバーシップ・経済負担について(参考人:桜井なおみさん)
  • 就労支援について(参考人:高橋都先生)
  • がん予防・検診について(参考人:園尾博司先生、中山富雄氏、厚労省総務課生活習慣病対策室)

サバイバーシップについて

がん罹患をきっかけに、およそ3人に1人が異動・転職していること、4割の人が診断後に収入減を経験していることは、まだまだ知られていないと聞きます。そんななか、桜井さんと高橋先生からは、非常に説得力のある力強いご意見が次々に提示されました。


私がはじめて「サバイバー」という言葉を聞いたとき、正直違和感がありました。
あふれるカタカナ語をまた増やさなくても…と思ったり。

「サバイバー」と言われると、「無人島でのサバイバルレースを生き残った人」みたいなイメージを持つ方が少なくありません。「『がんから奇跡の生還を果たした人』が『サバイバー』なのでしょう?」と。「わたしは再発してるから、転移してるから、サバイバーじゃないわ」と。

でも、1986年にアメリカのNCCSがうちだした「キャンサー・サバイバーシップ」という概念は、そういう意味とは異なります。
  • サバイバーは、がんの告知を受けた個人がその生涯を全うするまでを意味する。
  • その家族、友人、ケアにあたる人々なども、その影響を受けるので、彼らもサバイバーに含まれるべきである
    第27回協議会資料の資料5より)
LIVESTRONGでも、サバイバーシップを次のように解説しています。
LIVESTRONGのガイドブックによると、がんと診断された人のほか、その愛する人たち、友人たち、世話をする人たち、及び支援を行う人たちの全てを含めて「サバイバー」と呼んでいます。「サバイバーシップ」は、がんの診断を受けた時から始まり、治療中及び治療後も継続します。サバイバーシップの重要課題は良質の医療を受けること、健康的な生活を送ること、そして治療による後遺症に対処することです。
つまり、 "survive"という言葉は、がんの診断を受けた時から、その事実を背負いつつ「生き延びよう」「生き続けよう」とする努力・思いを指しているのだと、私は受け止めています。

誰が生き残ったかじゃない。生還したかじゃない。人生を揺るがす出来事をどう乗り越え、生きていくかということなのでしょう。

「がん患者」が経験する痛みは、医療で解決がはかられる身体的なものだけではありません。精神的な痛み、そして何より社会的な痛みをとりあげ、解決していくには、「サバイバー」という概念が欠かせないのだと思います。

というわけで、「サバイバー」を翻訳する場合も、「生還者」とは訳さないでくださいね。
かといって、コレ!という訳語がなくて悩ましいところですが、あえて訳すとしたら、「がん経験者」かなぁと仲間内では話しています。


がん検診について

続いてがん検診のヒアリング。
ちょっと乱暴な言い方かもしれませんが、がん検診の混乱ぶりが露呈されたように思いました。

まず、川崎医科大学の園尾先生から、「我が国の乳がん検診」について。
第27回協議会資料の資料7)

USPSTFの推奨変更にまつわる各種データも提示してくださって、今何が論点になっているかを解説してくださり、争点になっている40代の検診に今後超音波検診を導入していく可能性について触れられました。

視触診単独では死亡率を下げる根拠なしとされている点にも触れられましたが、これが現在、乳がん検診の実施にあたって大きな負担になっていることは、あまり論じられませんでした。

今、国の指針では、「視触診+マンモ検診」が勧められています。
そのため、マンモグラフィのある施設がないような地区をマンモ検診車で回ろうにも、では視触診を行う医師はどうするかが問題になります。視触診を行える医師を確保するだけで大変だとも聞きます。
受診者が、開業医のもとで視触診、検診センターでマンモと、2度足を運ばなければならない自治体もあります。

視触診をどうするのか、超音波検診を導入するのか否か。このあたりは、現在、国立がん研究センターで乳がん検診のガイドライン作成会議が開かれていますので、そちらで科学的根拠にもとづく判断が下されるものと思います。ガイドラインは、2013年春公開の予定だそうです。
http://canscreen.ncc.go.jp/guideline/nyugan.html


続いて、大阪府立成人病センター がん予防情報センター 疫学予防課の中山富雄課長から、「地域でのがん検診の取り組みの実情」が報告されました。
第27回協議会資料の資料8)

日本のがん検診は、今、市町村の住民検診と、職域における検診と、個人で受ける人間ドックなどの3本立てになっています。
それぞれがバラバラ。特に職域検診と個人検診はブラックボックスとも言われていて、どのような検診がどのように行われているのか、ほとんど把握されていません。

そんななか、市町村検診を充実させようにも、対象者の選定からして難しい現状が報告されました。

がん検診では、コール・リコール・システムといって、対象者を特定して名簿で管理し、個別にお知らせを送って、受診していない人には再度アプローチするような方式が受診率向上に役立つと、研究により実証されています。

でも、住民全体が検診の対象者と考えて全員に個別受診勧奨をしたところ、「職場で受けているのに手紙を送ってくるのは税金の無駄遣いだ」と大量にクレームが来たそうです。

マンモグラフィ検診実施機関が都市部に集中していることも報告されました。
比較として、アメリカ・テキサス州の各郡のマンモグラフィ配備状況が紹介されていたのが興味深かったです。郡内に撮影施設があるところでは、受診率67.8%なのに対して、ないところでは受診率38.6%……。当然といえば当然です。

市町村と、精密検査を行う医療機関と、検診実施機関の連携の悪さの話もありました。
大腸がんの検診実施機関として、小児科・耳鼻科の開業医の先生が申請している話も。

その後の質疑応答で、大阪府全体で見ても、受診率50%を達成できるだけの設備も予算もないという話も出ました。


なぜこんなことになってしまっているのでしょう。

どうも、しっかりした土台・基礎がないまま、建て増し建て増しでごまかしてきたツケがまわってきている気がしてなりません。


その意味で1つ気になっているのは、厚労省で設置されていた「がん検診に関する検討会」と「がん検診事業の評価に関する委員会」が、2008年3月1日に報告書が出されたのを最後に、まったく開催されていないことです。
(老健局の審議会・研究会等の一覧 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000am0d.html

問題が山積みのがん検診、ぜひとも国がもっと積極的にリードしていっていただきたいところです。

上記の「がん検診事業の評価に関する委員会」が最後に出した報告書、「今後の我が国におけるがん検診事業評価の在り方について」には、貴重な意見が満載されています。
現在、住民検診で使われているチェックリストも載っていますし、要精検率やがん発見率などプロセス指標の許容値・目標値も、ここに提示されています。
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/s0301-4.html

2008年にこの報告書で提示された在り方が、その後どの程度達成されたのか、何が障害になっているのか、審議を継続しただきたいと心から思います。


ああ、なんだか書きたいことは山ほどあるのですが、うまくまとまらないまま、えらい長文になってしまいました。

とにかく!

がんで早すぎる死をとげる人を本気で減らすがん検診実現のため、受診率向上にとどまらない対策を望みますです!

2011年10月30日日曜日

新宿でメキシコ料理のランチ♪

Japan for LIVESTRONGのランチ会があって、新宿まで行ってきました。

アメリカのランス・アームストロング財団を応援する日本のグループです。
ホームページは◆こちら◆

ランス・アームストロングは、ご存知のとおり、自転車ロードレーサー。
精巣がんのサバイバーでもあり、がん患者支援・がん啓発などの活動を精力的におこなってらっしゃいます。

Japan for LIVESTRONGのリーダーの1人であるビンジーさんと今年の春に出会って、ホームページにのせる文章の翻訳などを少しだけお手伝いしました。
今日は、もう1人のリーダー、ジャックさんが福岡から来ていて会えるというので、行ってきました。

ガンチ@名古屋から昨日帰ったばかりですが、どっちみち今日は余韻と疲れでボーッとしてるだろうなと思って。正解でした。みんなとの会話に癒され、元気をもらいました♪

Japan for LIVESTRGONGは、今年の12月1日公開予定の映画「50/50」にもジョイントしています。がん患者が主人公の涙と笑いの映画・・・らしい。早く観たくてうずうずしています。

日本癌治療学会@名古屋へ行ってきました

10月27~29日、名古屋で開かれた日本癌治療学会に、スカラシップをいただいて参加してきました。

癌治療学会が患者&患者支援者(アドボケート)向けのプログラムを始めてくださって、今年で3年目。さまざまな試行錯誤があったと聞きますが、今年は、がん対策推進協議会や患者会活動でご活躍の5人の患者経験者が運営委員会をつくって準備してくれました。

参加者向けの用語集付きしおりの製作にはじまって、アドボケート向けのランチョンセミナーほかさまざまな準備、本当に大変だったと思います。

ありがとうございました!

なかでも好評だったのは、Meet the Professorのセッション。メンターセッションと発想は同じです。学術会議の本セッションを医療者(多くはセッションの座長をつとめられた先生!)の方々が素人にもわかるように解説してくださるというもの。

ほかにも、スカラシップをもらっての参加者には、ポスターセッションでの発表が課せられました。
ポスターセッションなんて、初めてです。
ドクター方のポスターセッション会場と同じテント内に、アドボケート(44人分)のコーナーが設けられていました。全国各地で患者会などをリードしてらっしゃる皆さんが、どんな活動をしてらっしゃるか、それぞれに工夫して発表されていて、互いの会話もはずみました。

わたしは任意団体「科学的根拠に基づくがん検診を考える会」の人間として参加させていただいたので、がん検診についての情報発信について発表。ちょっと毛色が違ってこんなんでいいのかしらんと心配でしたが、関心をもってくださる方もいて、ほっとしました。

また、一瞬でもがん検診の不利益について思いをめぐらせてもらえたらと、3つの設問をして、シールを貼って答えてもらう試みもしました。
これ、友人の患者経験者Hさんが、ポスター発表でつかわれていたアイデアを拝借したものです。
だ~れも答えてくれないかと思ったら、意外とたくさんの方がシールを貼ってくださって、感激でした。

参加者の背景からしてバイアスかかりまくり、アンケートとも呼べない代物ですが、結果はこんな感じでした。





がん検診って、今健康な人はがんのことを含めて詳しいことを知らないし、がんになっちゃった人は治療のことで忙しかったりで、やっぱりよく知らないし、なんだかとってもニッチな領域になっちゃってる気がします。
でも、受診者は「精密検査を」と言われただけで「わたしはがんだ」と思ってしまった
り、生検の結果待ちにひやひやしたり、さまざまな不安に襲われています。
そういう不安・負担を少しでも減らしてあげるのも、アドボケートとしてやれることかなという思いを強めてる今日この頃なので、こういう問いかけをしてみました。

学会では、本当に多くの学びと出会いをえることができました。
2週続けての学会参加で、もうお腹も頭もいっぱいですw
今夜はぐっすり眠れるかな?

2011年10月24日月曜日

通院&患者サロン


今日は通院&患者サロンの日でした。携帯を忘れたので、写真なしxxx

年に1度はと、マンモ&エコーを受けましたが、お陰様で異常ナシでした。前回同様、術側の胸にはダイヤモンドのようなキレイ(?)な粒が3つばかし写ってますが、手術と放射線の影響なんだそうです。心なしか、マンモの痛さが毎回減っていってる気がします。更年期症状が進んでるおかげでしょうか (^_^;

患者サロンは、通院先の病院で全がんを対象に月に一度開かれているおしゃべり会です。発起人の方が4年ほど前に始められましたが、最初2年はだ~れも来ない日が続いたそう。それでも続けてくださったおかげで、だんだん来る人が増えて、今日は総勢9名の参加でした。

また今日は、横浜での臨床腫瘍学会でお会いした、千葉大の”支えあう会「α」”の事務局長さんも遠路はるばる来てくださいました。昨日国がんで行われたピアサポートのシンポなどの動きもあるので、今、県内の拠点病院&患者サロンを回って話を聞いてくださっているそうです。こうして横のつながりがあるのは、とってもありがたいことです。

参加者は部位もさまざま、告知されてからの年数もさまざま。患者さんご本人だけでなく、ご家族もおいでです。それでも、術後の痛み、抗がん剤治療の後遺症、家族との接し方、主治医との接し方などなど、毎回たわいもない話からシリアスな話まで花が咲き、にぎやかなこと!

患者サロンに顔を出し始めて、まだ半年たっていません。きっかけはOne World プロジェクトでした。病院には先生方だけじゃなくて、相談支援センター、ソーシャルワーカーさん、看護師さん、薬剤師さん、患者会と、患者さんを支えようといういろんな立場の人たちがスタンバってくださっている。One Worldプロジェクトはそんな当たり前のことも教えてくれました。

自分の通院先でも、患者同士、励まし合うような活動をと思って通い始めたのですが、行ってみたら、単純にみんなとのおしゃべりが楽しい♪ みんなの話を聞いているだけで、なにか心のなかで解けていくものがあるのを感じます。「活動」だなんて肩に力を入れるのがアホらしく思えてくるほど、癒されている自分に少々驚いてもいます。

今日は、OneWorldプロジェクトの第三次募集のチラシも配らせてもらいました。
OneWorldプロジェクトのブログはこちら


2011年10月23日日曜日

日本乳癌検診学会@岡山へ行ってきました


ブログを開設したはいいけど、にゃんと、2ヵ月以上更新していない!


・・・お恥ずかしい限りです。


ブログというのは、構えてしまうとイカンのですね。
時間をおかずに、書ける範囲でどんどん書いてくほうがいいんだろな。


というわけで、報告。


10月20~21日、岡山で開かれた日本乳癌検診学会に勉強に行ってきました。
去年の福岡での学術総会に続き、2度目です。


福岡に引き続き、笠原先生をはじめとする全国集計委員会の先生方が、乳がん検診の現状について192万人のデータを集計した結果を報告してくだったり、とても勉強になりました。


受けた印象として、画像の判定・診断の質はどんどん向上している様子。質をしめす各種プロセス指標(精密検査に回される人の割合、がんの発見率などなど)を判断材料に、先生方、技師さん、検診担当者の皆さんが日々努力してくださっているおかげ。頭が下がります。


遅れているのは「制度的」な側面と感じました。検診データのデータベース化、検診業務の運営に関するチェック項目をいかに満たすかなどは、個人の検診履歴~治療履歴(個人情報!)をいかに一元管理するかとか、予算の問題と大きくかかわってきます。このあたりは、患者経験者・受診者の側からも、もっと声をあげて協力してかなきゃならんと思いました。質の高い検診の実現が、がんで亡くなる人を減らし、検診を受ける人たちの利益にもつながるのですから。


あと、「がん検診は見つけることより、死亡率を下げるためのもの」とか、「検診の不利益をどう受診者に伝えるか」という発表・発言がかなり増えてる!と感じました。USPSTFの推奨変更のインパクトは本当に大きかったのだなと改めて感じます。


来年の乳癌検診学会は11月上旬、な、な、なんと沖縄にて! どーする寺田、沖縄まで行くか!?



2011年8月15日月曜日

勉強会のお知らせ

One Worldプロジェクト報告会&メンターセッションのご案内


9月2日~4日、仙台で日本乳癌学会第19回学術総会が開かれます。それに参加する患者さん、患者支援者の皆さんを対象に、勉強会を開く企画をたてました。当日は、震災を受けて被災地のがん患者さんに必要な支援物資を届けようとスタートしたOne Worldプロジェクト(http://oneworldpro.jugem.jp/)についても、あわせてご報告させていただきます。 
学会には参加しないけれど、話を聞いてみたいという方も歓迎です。奮ってご参加ください~♪ 

■日時:平成23年9月2日(金) 19:20開会(19:10より受付開始) 
■場所:仙台市市民活動サポートセンター 研修室5 
センターのHP:http://www.sapo-sen.jp/ 
 (復興支援活動を行っている任意団体として、「One Worldプロジェクト」の名で場所をお借りしています) 
■参加費:500円 
■定員:45名 
■企画・運営:メンターセッションin仙台実行委員会 桜井なおみ・寺田真由美・三好綾(五十音順) 

■内容: 
19:20-19:45 第一部:One world プロジェクトのご報告 
19:45-20:45 第二部:乳癌学会メンターセッション 
 ・外科部門   谷野裕一先生(公立那賀病院 乳腺呼吸器外科医長) 
 ・腫瘍内科部門 徳留なほみ先生(乳腺専門医、がん薬物療法医) 
   ※やむを得ない事情で講師の先生が変更になる場合もあります、ご容赦ください。 
20:45 終了予定 

■お申し込み・お問い合せ先:mentorsession[at]gmail.com(連絡窓口担当:三好) 
参加ご希望の方は、氏名・所属(個人の方は不要)・電話番号・メールアドレスをご記入の上、メールにてお申込み下さい(アドレスの [at] を @ に変えてください)。
※先着順。定員を超えた場合はお断りする場合もありますのでご了承ください。 

■メンターセッションとは: 
学会に勉強のために参加するがん経験者やがん患者支援者向けに、学会で取り上げられるトピックについて医療者の方に分かりやすく解説していただく集まりです。米国サンアントニオ乳がん学会でも、地元患者会の主催で毎晩開かれています。その年、注目すべきトピックは何なのか、今どのような研究に力が入れられているのか、理解を深める恰好の場です。なおメンター(mentor)とは、指導者、助言者、恩師という意味の英語です。 

■お断りとお願い: 
この報告会&メンターセッションは、日本乳癌学会および第19回学術総会のプログラムではありません。参加者有志の企画・運営による自主独自のイベントです。 
また勉強会では、個別のケースについて、治療の相談に応じたりご質問にお答えすることはできませんので、あらかじめご了承ください。 

朝顔

暑さで目が覚めたおかげで、満開の朝顔を見られました。


2011年8月13日土曜日

2011年8月12日金曜日

OneWorld/第二次募集

始めたはいいけど全然更新できていない、だめだめブログですが……。

【お知らせ・拡散希望】
One Worldプロジェクトの支援物資・第二次募集を8/22~26に行います! One Worldプロジェクトとは、被災地のがん患者さんにウィッグや帽子など、必要なケア用品を送ろうと411に始めたプロジェクトで、私も発起人の一人をつとめています。
第一次募集の際には、全国の皆さんから約1700コにのぼるウィッグをお寄せいただきました。それらの物資は被災地の20ヵ所の病院に送られて、相談支援センターや患者サロンなどを通して患者さんに手渡されています。


そのウィッグも、残りわずか十数個になりました。まだまだ支援を必要としている被災地。そこで支援物資の追加募集を行うことになりました。



詳しくはプロジェクトのブログをご覧ください。被災地を訪問した時のご報告、各病院から寄せられた声などもアップしています。

周りの方へのお知らせ用に、A4の紙2枚にまとめた募集要項もあります。


皆さまのご協力、よろしくお願いします <(_ _)>



2011年7月31日日曜日

第22回協議会を傍聴して

先日の水曜日、7月27日、第22回がん対策推進協議会を傍聴してきました。
協議会を傍聴したのは、その前の第21回に続いてまだ2回目です。めまいがするほど多岐にわたる議題について、息をつくヒマもなく展開される議論に、なんて大変な仕事なのだろうと、委員の皆さんに本当に頭の下がる思いです。
今、協議会では、平成24年度予算の概算要求に向けて、重点事項の提案・整理が行われています。そうしたスケジュールも念頭に置きながら、何をどう提案していくのか、さぞ難しい作業だろうと見ていてため息が出ます。

そんななか、会長代理の天野委員から、がん検診について次のような意見があげられていました。
「厚生労働省、文部科学省、経済産業省によるがん対策関連予算は明らかであるが、がん検診を実施している市町村に配分される総務省による地方交付税についても、低調であるがん検診受診率の向上を図るため、予算執行状況を明らかにするとともに、その在り方についても検討すること」
協議会 資料2「平成24年度予算要求等に係る各委員意見一覧」より

これを拝見して、すばらしい!と思いました。

日本では、1966年に胃がん検診、翌年に子宮がん検診が国庫補助の対象とされて、1983年からは老人保健法によって市町村を実施主体とするがん検診が行われていました。その後肺がん検診、乳がん検診、大腸がん検診もはじまりました。
ところが、1997年、この老人保健法に基づくがん検診にかかる費用は、国庫負担規定の適用外とされ、一般財源化されて、地方交付税をもってまかなうことが決められました。

がん検診は科学的根拠に基づいて行われる必要があり、精度管理・事業評価、受診率向上対策のいずれにおいても、幅広い知見が必要になります。そうした知見は国立がん研究センターなどでまとめられ、国が「がん検診はこうあるべき」という指針を示しています。でもがん検診の実施自体は、地方に任されてしまっているわけです。

がん検診をイギリスや韓国のように、国家事業として行うべきかどうかは、議論のわかれるところかもしれません。しかし、がん検診の実施状況・精度管理が、市町村によってバラバラというのは、決して受診者の利益につながりません。どこに住んでいようと、今わかっているベストな方法で、がん検診を受けられる体制が整うこと、つまりがん検診の「均てん化」が必要です。

天野委員の今回の意見は、そこを睨んでの提案と私は理解しました。
今ある問題点を理解して、どのように実現可能な対応を求めていくか、難しい作業でしょうが、委員が指摘された点はとても重要で、現状を正しく把握するのに欠かせないと思います。

この意見がぜひとも今後のがん対策に反映されるよう、願っています。

協議会ではほかにも委員の皆さんからいろいろとすばらしい意見が出されていました。それらについては、またあらためて。

はじめまして

念願かなって、と申しますか、重い腰をあげてようやく、と申しますか、ブログを始めることにいたしました。

自己紹介にも書いたとおり、乳がん罹患後の2008年から、本業のかたわら、がん啓発・がん検診を関心分野に細々と活動してきました。

この10年、20年で日本のがん医療は大きく変わってきましたが、まだまだ問題も山積みです。今、全国各地の患者会や患者支援団体の皆さんが、問題解決にむけて懸命に努力しておられます。でも、目の前でつらい思いをしている患者さんたちをどう支えるか、それだけで手一杯という方が多いのではないかと思います。がん啓発、がん検診は、基本的に罹患する前の、今健康な方たちを対象としています。治療中の患者さんを支える活動をしながら、がん検診について情報を集めて学ぶ余裕は、なかなかないのが現状ではないでしょうか。

そこで、というと大変おこがましいのですが、少しでも皆さんのお役に立てばと、この領域に関する情報を集めて、ここで発信していくつもりです。私もまだまだ不勉強ですが、こんなデータがほしい、あの問題は今どうなってるの?などご要望がありましたら、ぜひお知らせください。できる限りお応えしてまいります。

もちろん、一般の患者さん、医療関係者、検診担当者の皆さんにもご覧いただいて、ご意見やご教示をいただけるとありがたいですし、がん検診について知りたい受診者の皆さんの参考にもなれば、なおうれしいです。

とはいえ、まだ、がん検診についての基本的な情報しか入れられていません (^_^;  不定期更新で時間はかかるでしょうが、徐々に増やしていきます。くわえて、がん医療とはぜ~んぜん関係ないアホな話も書いていくと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

では皆さま、どうぞよろしくご贔屓のほどを <(_ _)>

てらだまゆみ

補足:ブログ名の「豆猪口」について
友人たちとのある交流の場につけられた名前をもじったものです。そこでは「ちょこっと寄ってこ~」の意味で「猪口」が使われていました。罹患後、友人たちにグチを聞いてもらうのためにプライベートな場所をつくり、「まゆみ」と音の響きが近い「豆」をつけて「豆猪口」と命名。以来、私にとっては、自分がサバイバーになってからのあれやこれやを括るフォルダ名のようになりました。